畳に掘ってある囲炉裏みたいな穴の事を、“炉”と言います。
10月〜4月にかけて“炉”の季節、5月〜9月にかけては畳の上に置く“風炉”の季節と決まっています。
同じ“炉”でもこの厳寒の時期のみ“大炉”を開くのです。
普通の”炉”よりサイズが大きいので、いつもより多めの炭を入れられるのでとても温まるのです。
炉の中は、よく湯が沸くような工夫が満載。これも長年にわたって試行錯誤で研究されたことなんでしょう。入れる炭の大きさも、形も、数も、くべ方も、全て決まっています。
だいたい二〜三時間のお茶会で燃える量の炭、丁度お茶を飲む頃にいい塩梅に湯が煮えるような炭のくべ方が決まっているのです。
炭をくべたら、“湿し灰”と言ってその名の通りに湿った灰を炉の縁の方に入れます。
そうすると、炉の中で対流が起こって、ますます良い火になるのです。
おいしいお茶を飲むために、そんな見えないところにも工夫が凝らされているのです。